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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。
干し柿作りは難しくありません。しかしポイントが押さえられていなければ「カビてしまう」「硬くゴムのような食感になってしまう」「渋味が残ってしまう」「乾燥が進まない」「発酵してしまう」などの問題が生じてしまうこともあります。
難しくはありませんが手間はかかります。

今回の記事は次のような人におすすめ!
- 干し柿作りの大まかな流れを知りたい。
- 美味しい干し柿作りのコツを知りたい。
- 赤橙色に仕上げるにはどうすればいいのか?
最大のポイントはカビさせないことです。
カビさえ防げれば一応は食べられる代物になりますので、「気温と湿度の低い日が続くような日取りで皮を剥くようにする」「可能な限り風通しの良い場所に干す」「殺菌の工程をていねいに行う」などがポイントになります。
さらに仕上がりを良くするためには干し場所(日当たり)などにも気を使います。
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干し柿作りの手順について
干し柿作りには大きく6工程があります。
それが「適期に収穫すること」「適切に追熟させること」「天候を選んで過熟になる前に皮を剥くこと」「干しやすいように縄かけをすること」「硫黄やアルコールなどで殺菌すること」「目標の乾燥歩留まり(25~30%前後)まで干し上げること」です。
各工程のポイントを理解しておくことが大切です。
【果実の収穫と追熟】原料柿の収穫は「ヘタが立ち上がり黄化してきていること」「肩部(ヘタ下)の青みが抜けて着色していること」などを目安にします。着色が不十分な場合は20~25℃の室内で追熟させます。
step.1
【皮むきと連作り】枝をT字に整えます。ペティナイフの背を果梗に当てるようにしてヘタ周辺の皮を剥いてから、ピーラーを使って全体の皮を剥きます。枝の残っている柿はロープに挟んで吊るせるようにし、枝の残っていない柿は「柿クリップを付ける」「ネットに入れる」などして吊るせるようにしておきます。
step.2
【殺菌作業】硫黄燻蒸、熱湯にくぐらせる、アルコールにくぐらせるなどの方法で殺菌します。理想は変色(黒変)とカビを防げる硫黄燻蒸ですが、難しい場合には熱湯(もしくはアルコール)にくぐらせて殺菌します。アルコールには35度のホワイトリカーなどを利用します。
step.3
【干し上げ】風通しの良い場所に吊るして干し上げます。理想は肩の部分にロープのあたらない横吊りですが、難しい場合には縦吊りで干します。また美しい赤橙色に干し上げるためには直射日光を避ける必要がありますが、熱湯やアルコールで殺菌した場合にはカビを防ぐためにも直射日光に当てて干し上げます。
step.4
以上が大まかな流れになります。
ペティナイフ(包丁)やピーラーはステンレス製のものを使用します。鋼のペティナイフやピーラーを使用してしまうと鉄とタンニンが反応して黒ずんでしまいます。またきれいな赤橙色に仕上げるためには硫黄燻蒸が必須になりますが、よほどの田舎でなければ難しい殺菌方法です。
多くの家庭では熱湯やアルコールでの殺菌をすることになるかと思いますが、熱湯やアルコールでは変色を防げません。そのため市販の干し柿よりも黒ずんだ仕上がりになります。
干し柿の黒ずみはアスコルビン酸(ビタミンC)噴霧でも防げますが、複数回の噴霧により不自然に赤味のある仕上がりになるといわれています。硫黄燻蒸に変わりえるテクニックではありますが、現在のところ硫黄燻蒸ほど確立されているテクニックではありません。
ベランダに干す場合の注意点について

ベランダにはベランダ特有の難しさがあります。
干し柿の干し場の条件には「風通しが良いこと」「柿同士がぶつかり合わないこと」「雨雪が吹き込まないこと」「衛生面に問題がないこと」「(赤橙色に仕上げる場合には)直射日光が当たらないこと」などがあります。
特にスペースの問題と雨雪のふき込みには注意が必要です。
- 干す前に片付けと掃除を徹底すること
- 寒冷紗などを利用して雨雪や直射日光を避けること
また鳥害対策が必要になることもあります。
鳥害に関しては地域差がありますので必ず対策しなければいけないというわけでもありませんが、せっかくの干し柿が台無しにされてしまいますので、リスクの高い地域である場合には「防鳥網を張る」「テグスや水糸などを張る」などの対策をします。
鳥害は一度発生すると多発する傾向があります。
まとめ・干し柿の作り方は?
干し柿作りには大きく6工程があります。
それが「収穫・追熟・皮むき・連作り・殺菌・干し上げ」です。各工程にはそれぞれにコツがありますが、特に意識して欲しいのが「カビさせないこと」です。カビを防ぐためには清潔な環境で作業することと風通しの良い日陰に干すことがポイントになります。
環境によっては意図的に直射日光に当てた方が良いこともあります。