干し柿の種類は?

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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。

柿が好きで旬の時期にはよく食べています。甘柿には甘柿の、アルコール脱渋にはアルコール脱渋の、熟柿には熟柿の良さがありますので飽きることなく楽しむことができています。もちろん干し柿には干し柿の良さがあります。

また干し柿にも種類がありますので飽きることはありません。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 干し柿の種類による違いは?
  • あんぽ柿の作り方と特徴は?
  • ころ柿の作り方と特徴は?

干し柿には大きく2種類があります。

干し柿とは皮を剥いた渋柿を40日間ほど干して甘味の濃縮と脱渋をしたものですが、干し加減(水分率)や作業工程の違いにより「あんぽ柿(セミドライタイプの干し柿)」と「ころ柿(ドライタイプの干し柿)」の2種類に分類されています。

あんぽ柿は水菓子のように軟らかく、ころ柿はねっとりした食感が魅力です。

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干し柿の種類とは?

干し柿は2種類に大別できます。

干し柿は果実を乾燥させるドライフルーツの一種です。皮を剥いた渋柿を乾燥させることにより「渋味が抜ける」「保存性が向上する」「甘味が増す」「独特の風味や食感が生まれる」などのメリットが得られます。

干し柿の大きな違いは水分率です。

あんぽ柿50%程度
ころ柿25%程度

これにより食感の違いが生まれます。

水分率が50%前後になるあんぽ柿には「軟らかな食感となめらかな舌触り」があり、水分率が25%前後になるころ柿には「ねっとりとした食感と柿霜(柿からにじみ出た果糖やブドウ糖が結晶化したもの)」がみられるようになります。

ひと言に干し柿とは言っても全くの別物です。

あんぽ柿の作り方と特徴は?

あんぽ柿は水分率の高さゆえのなめらかさが魅力です。

渋柿を水分率50%程度まで乾かした干し柿を「あんぽ柿」と言います。水分率が高いために「とろけるようななめらかな食感」と「高級和菓子のような上品な甘味」が特徴です。しかし保存性が低い(カビが生えやすい)ために硫黄を用いた殺菌処理が必要になります。

硫黄を用いた処理を硫黄燻蒸と言います。

亜硫酸ガスが果実などに接触すると、果皮の水分に溶けて亜硫酸水となり、その還元作用で酸化を抑制して果皮を漂白する。
したがって乾果はきれいに仕上がり、菌やかびの繁殖も抑えられるので、乾燥果実の製造などにおける変色防止を目的として硫黄くん蒸が行われる。

あんぽ柿の鮮やかな飴色は硫黄燻蒸によるものです。

しかし亜硫酸ガス(二酸化硫黄)の発生する硫黄燻蒸にはリスクが伴うために一般家庭での干し柿づくりには推奨されていません。そのためあんぽ柿特有の鮮やかな飴色は得られませんが熱湯消毒やアルコール消毒で代用されています。

また目標の水分率になった後は冷凍庫で保存されることが多くなります。

ころ柿の作り方と特徴は?

ころ柿は水分率の低さゆえの強い甘味とねっとり感が魅力です。

渋柿を水分率25%程度まで乾かして柿霜(柿からにじみ出た果糖やブドウ糖が結晶化したもの)をふかせたものを「ころ柿」と言います。水分率が低いために「ねっとりとした食感」と「保存性の高さが」が特徴になっています。

家庭で作られる多くの干し柿はころ柿です。

ころ柿はあんぽ柿の状態からさらに乾燥させます。あんぽ柿は紐に吊るした状態で水分率50%(歩留まり35%前後)まで乾燥させますが、ころ柿はあんぽ柿の状態から平干しにして水分率25%前後(歩留まりも25%前後)まで乾燥させます。

また表面に細かな傷をつけることで柿霜もできやすくなります。

干し柿に用いられる渋柿の品種について

干し柿の仕上がりは品種に左右されます。

基本的に渋柿であれば干し柿を作ることはできますが、あんぽ柿には大ぶりの品種である蜂屋柿(はちやがき)や平核無柿(ひらたねなしがき)などが人気ですし、ころ柿には小ぶりで柿霜のできやすい市田柿(いちだがき)などが人気です。

仕上がりをイメージして品種選びをすることがポイントになりますが、庭木の柿の木から採取した柿(渋柿)を利用する場合には品種(わからなければ柿の特徴)を理解した上で加工することをおすすめします。

特に柿霜に覆われたころ柿を作りたい場合には渋柿の品種選びが重要なポイントになります。

まとめ・干し柿の種類は?

干し柿には大きく2種類があります。

あんぽ柿(セミドライタイプの干し柿)は水分率50%程度まで乾かしているために「とろけるようななめらかな食感」が魅力であり、ころ柿(ドライタイプの干し柿)は水分率25%程度まで乾かしているために「ねっとりとした食感と柿霜」が魅力になります。

渋柿の品種による向き不向きもありますので作り方が全てではありません。