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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。
ぬか床は米ぬかを発酵させて作られています。米ぬか、食塩、水分というシンプルな材料で作られているからこそ材料の質や鮮度などがぬか床の味に大きく影響します。このことからも美味しいぬか漬け作りには素材選びが重要です。
ここではぬか床に用いる食塩について説明していきます。

今回の記事は次のような人におすすめ!
- ぬか床におすすめの食塩は?
- ぬか漬けの塩分濃度は?
- お漬物が漬かるとはどのような状態か?
ぬか床にはあら塩をおすすめします。
あら塩(並塩)とは粒が粗目でにがりを多く含む海塩です。あら塩はミネラルが豊富で味に丸みがありますし、にがり(塩化マグネシウムや塩化カルシウムなど)には野菜の組織と結合して不溶性にする働きがありますので食感が損なわれにくくなります。
ぬか漬けは材料がシンプルであるからこそ味への影響力は大きくなります。
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ぬか床にあら塩をおすすめする理由は?
ぬか床にはあら塩がおすすめです。
あら塩を使うことによりぬか漬けの食感が良くなります。これはあら塩に含まれているにがり(塩化マグネシウムなど)が野菜の細胞をつないでいるペクチンを部分的に不溶性にするためです。精製塩を使うと食感の悪いぬか漬けになります。
また、あら塩は味に丸みがあることからも野菜との相性が良いとされています。
高価な塩を使う必要はありません。ぬか床には定期的な足しぬかが必要になりますし、野菜の下ごしらえなどでも多量の食塩を必要とします。このことからもたっぷり使っても惜しくない価格帯のあら塩をおすすめします。
お気に入りがあれば大容量で購入しておくこともポイントになります。
ぬか床の塩分濃度を6%前後にする理由は?
ぬか床の塩分濃度は6%ほどです。
ぬか床は6~8%ほどの塩分濃度と乳酸菌による低い水素イオン指数(pH4.3程度)により雑菌(腐敗菌)の増殖を防いでいます。このことからもぬか床の手入れというのは「有益な微生物が生育しやすい環境づくり」ということになります。
そこで最も影響力の大きいのが塩分濃度です。
ぬか床に生育している微生物は6~8%の塩分濃度で生育できる耐塩性を持ちます。それ以下であれば雑菌(腐敗菌)が増えてしまうリスクがあり、それ以上になると生育スピードが鈍化することにより「美味しく漬からないぬか床」になるリスクがあります。
このことからも「夏は高め、冬は低めにコントロール」することがポイントになります。
美味しいぬか漬けの塩分濃度は?
ぬか漬けの塩分濃度は2~5%ほどです。
好みの漬かり加減には個人差がありますので絶対的な正解ではありませんが、一般的なぬか漬けは2~5%ほどになるようにコントロールされています。また意図的に「浅漬けのような漬かり加減」や「古漬けのような漬かり加減」にすることもあります。
以下は主な漬物の塩分使用量です。
材料に対する塩分量 | |
---|---|
一夜漬け(浅漬け) | 2% |
早漬け | 3~5% |
保存漬け(1~2ヵ月) | 6~8% |
保存漬け(3~6カ月) | 9~14% |
長期塩蔵品(6カ月以上) | 15%以上 |
ぬか漬けは漬け時間でコントロールします。
ぬか床には6%前後の塩分が含まれていますので、そのまま漬けておけば1~2カ月間の保存漬けにすることができます。しかしそのままでは塩辛い漬物になってしまいますので時間をコントロールしたり塩抜きをすることにより調節します。
多くのぬか漬けの漬け時間は6~12時間ほどになります。
まとめ・ぬか漬けにはあら塩がおすすめ?
ぬか床には粗塩がおすすめです。
あら塩にはミネラル(塩化マグネシウムや塩化カルシウムなど)が豊富に含まれているため、野菜の細胞をつないでいるペクチンが部分的に不溶性になり食感の良いお漬物になります。パリパリしたお漬物が好みであれば心からおすすめできます。
また味が複雑なことからもお漬物との相性の良い食塩です。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。常温管理には米ぬかをこぼしにくい寸胴型容器、冷蔵庫管理にはデッドスペースのできにくい角型容器がおすすめです。