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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。
アルミニウム製の雪平鍋には「アルミ素地・アルマイト加工・ノンスティック加工」の3パターンがあります。多くの雪平鍋はアルマイト加工されていますので黒ずみ(変色)の心配はありませんが、アルミ素地の雪平鍋の場合には注意が必要です。
アルミ素地の雪平鍋は、正しく使用していても次第に黒ずんでいきます。

今回の記事は次のような人におすすめ!
- 雪平鍋(もしくはやっとこ鍋)の黒ずみを落としたい。
- アルミニウムを黒ずみにくくするには?
- アルマイト加工との違いは?
雪平鍋の黒ずみは表面を溶かす(または磨く)ことで落とします。
アルミニウムは変色します。これはアルミニウムが水分と反応すると白色の水酸化アルミニウムになり、水酸化アルミニウムが微量物質(ミネラル)と反応すると黒色に変色してしまうためです。健康面への害はりませんが鍋へのダメージになることがあります。
このことからも黒ずみを落として(再び)変色してしまうのを遅らせるためには皮膜を形成させておく必要があります。
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アルマイトと非アルマイトの違いは?
黒ずみの落とし方は鍋により異なります。
現在、多くの雪平鍋にはアルマイト加工(陽極酸化処理)が施されています。アルマイトとはアルミニウムを硫酸などの電解質溶液に浸けて陽極の電流を流すことにより強制的に厚い酸化皮膜を形成させる加工のことです。
これにより変色や腐食の進行を防げるようになります。
アルマイト加工の雪平鍋の場合には無理に黒ずみを落とす必要はありません。黒ずみを落とすために強くこすったり酸に浸けたりしてしまうとアルマイト加工が取り除かれてしまいアルミニウムの地が出てしまう可能性があります。
アルマイトが変色しても皮膜が維持されている限りは孔食(ピンホール)などの腐食が進むことはありませんのでそのまま使い続けても大丈夫です。
黒ずみの落とし方は?
黒ずみの落とし方には大きく2種類があります。
酢水やレモン水を煮立たせて「酸により表面を溶かす方法」と、スチールウールなどを使って「物理的に黒ずみを落とす方法」です。一般家庭では前者の方法が好まれ、厨房などでは後者の方法が好まれる傾向があります。
メーカー側では前者の方法を推奨していますが、短時間で結果を得られるのは後者です。
個人的にはスチールウールを使うことが多いです。その理由としては「酢水、レモン水、クエン酸水などを煮立たせても思うように黒ずみが取れないことがある」ことや「スチールウールやクレンザーを使った方が短時間で落とせる」などがあります。
ちなみに、研磨力は「クリームクレンザー<クレンザー<スチールウール」の順になります。
再び変色してしまうのを防ぐには?
黒ずみを落とせましたら皮膜を形成させます。
アルミニウムは皮膜(不動態皮膜)により安定させる必要があります。アルマイト加工が理想ではありますが、家庭では現実的でないために「自然酸化皮膜」や「米のとぎ汁などによる簡易的な皮膜」を利用することになります。
以下は、簡易的な皮膜形成のやり方です。
米のとぎ汁を10分以上煮立たせる
米のとぎ汁を捨てて優しく洗う
水分を拭き取って完全に乾かす
できる限り乾いた状態にしておく
以上が簡易的な皮膜の作り方です。
アルミニウムの酸化皮膜は自然酸化によっても形成されますが長期間放置しておく必要があるために使用頻度の高い調理道具の場合には米のとぎ汁を煮立たせる方法が好まれています。米のとぎ汁がない場合には米をひとつかみ加えても大丈夫です。
また大根の下茹でなどに使いながら皮膜を作っていく方法もあります。
まとめ・雪平鍋の黒ずみを落とすには?
アルミ素地の調理鍋は変色します。
黒ずみを落とす方法には「酢水やレモン水を煮立たせる方法」や「クレンザーやスチールウールで磨く方法」などがあり、メーカーが推奨しているのは前者です。しかし手間のかからないのは後者の方法ですので、厨房などでは後者の方法が選ばれます。
黒ずみを落とした後は米のとぎ汁を煮立たせるなどして皮膜を作っておくことで黒ずみにくくなります。
※板厚は谷口金属が2.2mm、遠藤商事が2.6mm、アカオアルミ(やっとこ鍋)が3.0mmです。ホームセンターなどで販売されていることの多い安価な雪平鍋は1.3mmなどの薄板ですのでおすすめできません。