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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。
酢酸発酵の進んだ醪(もろみ。醸造工程で作られる柔らかい固形物)は、搾ることで柿酢として利用できるようになります。しかし一般家庭に圧搾機などのような専門の道具はありませんので、家庭にある(もしくは入手しやすい)道具を利用して搾ることになります。
多くの過程ではこし布袋やザルなどが用いられます。

今回の記事は次のような人におすすめ!
- 柿酢の搾り方は?
- 濁りのある柿酢を透明にするには?
- 柿酢の醪(もろみ)はどの程度まで搾れるのか?
醪の搾り方には大きく2種類あります。
それが自然ろ過する方法と加圧ろ過をする方法です。前者はこし布袋に入れて吊るすことでろ過をし、後者は漬物石などを載せてろ過する方法です。加圧の有無により搾り出される柿酢の風味は異なりますがどちらにも一長一短があります。
短時間で搾りたい場合には最初から加圧しても問題はありません。
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搾り方(ろ過方法)は?
柿酢はこし布袋に入れて絞ることをおすすめします。
こし布袋やさらし布などを使わない搾り方もありますが、濁りが強くなるために積極的にはおすすめしません。自然ろ過と加圧ろ過では「搾られた柿酢の風味」や「搾るために要する時間」などに違いが生じますので好みに応じて使い分けます。
一般家庭の設備で搾ることのできる柿酢は、おおよそ仕込み量の40~50%になるとされています。(※袋吊り(自然ろ過)だけでも時間をかければ40~50%ほどまで絞れます)
こし布に醪(もろみ)を入れて吊るします。粘度の高い醪ははじきますので、新聞紙などで覆うようにして注ぐとよいです。表面にコンニャク状のものができている場合には搾りにくくなることを防ぐためにも取り除きます。
step.1
半日から1日間ほどの袋吊りで大方の柿酢が搾れます。コバエなどの虫を寄せ付けないためにもビニール袋などで覆っておくことをおすすめします。また酸化を防ぐためにも可能な限り空気の層が少なくなるようにしておきます。
step.2
こし布袋ごとザルに入れて落し蓋などを当ててから重りを載せます。袋吊りだけでも多くの柿酢を搾れますが、漬物石などをお持ちであればより多くの柿酢を搾り取ることができます。袋吊りと同様にビニール袋などで覆ってコバエなどを寄せ付けないようにしておきます。
step.3
搾った柿酢は酒瓶などに入れて保存します。柿酢の保存(熟成)には茶色や緑色の酒瓶をおすすめします。これらの瓶には紫外線を遮断する効果がありますので、柿酢の劣化を最小限に保存することが可能になります。
step.4
寒い(肌寒い)季節に絞ることをおすすめします。
柿酢の発酵期間にはレシピによる違いがありますが、暖かい季節に絞ることはおすすめしません。柿酢の甘い果実臭は虫を寄せ付けてしまいますし、空気中を漂う微生物も増えてしまいます。時間のかかる搾りの作業は、普段以上に清潔を心がけることがポイントになります。
特に加熱殺菌(火入れ)をしない場合には注意が必要です。
濁りや澱(おり)を取り除くには?

搾ったばかりの柿酢には濁りがあります。
濁りは保存中に澱(おり。水中に沈んだカス)となります。澱の正体は「糖やタンパク質が結合して生じるもの」であり、柿酢には他の果実酢よりも澱が生じやすいという特徴があります。そのため保存瓶の底には澱がたまりますし、動かすと濁ることもあります。
一般家庭での柿酢づくりは自家消費に限られていますので、自分が気にならなければそのまま消費しても問題はありません。
しかし柿酢は他の果実酢と比べても澱の生じやすい醸造酢です。どうしても澱や濁りが気になる場合には「熟成期間中に澱が舞わないように他の瓶に移し替える」「加熱殺菌(火入れ)をして不純物をろ過しやすい形にしてからフィルターに通す」などの方法で除去することになります。
加熱殺菌につきましては別記事にて解説します。
まとめ・柿酢の濾し方は?
柿の醪(もろみ。醸造工程で作られる柔らかい固形物)は搾ることで柿酢になります。
醪の搾り方には大きく自然ろ過する方法と加圧ろ過する方法がありますが、自然ろ過した上で加圧ろ過に切り替えるのが一般的です。柿酢の醪の場合、一般家庭で搾れるのは仕込み量の40~50%までとされていますので仕込み時の参考にします。
搾り方やタイミングによっても味は変わりますので作業中に味見をしてみることをおすすめします。