ハンバーグにパン粉を加える理由は?

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こんにちは、めしラボです。

多くのレシピにおいてハンバーグにはパン粉が加えられています。パン粉はハンバーグの主要な副材料であり、生パン粉や乾燥パン粉はレシピにより使い分けられています。パン粉の他にはお麩などが使われることもあります。

パン粉の有無はハンバーグの仕上がりに大きく影響します。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ハンバーグにおけるパン粉の役割は?
  • 牛乳で湿らせたパン粉を使う理由は?
  • パン粉の代用品は?

ハンバーグにはパン粉を加えます。

パン粉を加えることによって「よい意味でハンバーグの食感がもろくなる」「肉汁を閉じ込めやすくなる」などのメリットが得られます。つなぎのためではありません。パン粉に主材料と副材料をつなぐ働きはありませんので注意が必要です。

一般的なレシピでは主材料に対して10%ほどのパン粉が加えられています。

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ハンバーグをもろくする理由は?

ハンバーグをもろくする理由は?

パン粉はハンバーグをもろくします。

ハンバーグはひき肉をこねて作ります。ひき肉をこねると筋原線維たんぱく質であるミオシンとアクチンが混ざり合うことによりひも状のアクトミオシンに変化します。アクトミオシンは互いに絡み合うことで網目構造を作り粘着力を強くします。

これにより肉汁を閉じ込めやすく崩れにくいハンバーグになります。

しかし粘着力の強くなったひき肉をそのまま焼いたのでは「硬くしまったハンバーグ」になってしまいますので、副材料(玉ねぎやパン粉など)を加えることにより適度なもろさを出して食感をよくする必要があります。

パン粉はアクトミオシンによる網目を部分的に阻害することでもろさを出します。

肉汁を閉じ込めやすくなる理由は?

表面を焼き固める
表面を焼き固める
中心温度75℃以上まで加熱する
中心温度75℃以上まで加熱する

パン粉によって肉汁が保持されやすくなります。

ハンバーグは中心温度が75~80℃になるように加熱されます。この温度は食中毒防止のための加熱条件である「中心部を75℃で1分間加熱すること」に基づいています。生焼けを防ぐためには温度計での確認をおすすめします。

「肉汁が透明になるまで」では不十分な場合があります。

多くの病原体は75 ℃で1分間以上の加熱で死滅することから、中心部までしっかり火を通すことが重要です。

しかし肉は65℃付近を超えると肉汁が絞り出されるようになります。

そのためハンバーグには「ひき肉に食塩を加えてこねることで粘着力を強くする」「卵を加えることでまとまりをよくする」「パン粉を加えることで肉汁を吸収させて流れ出しにくくする」などにより肉汁を留めるような工夫をします。

パン粉を加えるのも肉汁を保持するために役立っています。

牛乳で湿らせてから加える理由は?

牛乳で湿らせてから加える理由は?

湿らせておくことで水溶性のうま味が保持されやすくなります。

ハンバーグの肉汁とは「加熱により肉から絞り出される液体」のことを指します。明確な定義があるわけではありませんが「水分にうま味成分であるアミノ酸やペプチド、イノシン酸などの核酸関連物質などが溶け込んだもの」と考えられます。

肉汁は水溶性のうま味であるということです。

パン粉を湿らせておくことにより肉汁(水溶性のうま味成分)が吸収されやすくなります。乾いたパン粉を加えると肉汁よりも脂肪を吸ってしまいます。これは肉から肉汁が絞り出される温度よりも脂肪の融点の方が低いためです。

そのため乾いたパン粉では肉汁を保持できない可能性が高くなります。

補助説明

また牛乳を加えることには「肉の臭みを和らげることができる」「牛乳の風味が加わる」などのメリットもあります。牛乳がハンバーグにコクを与えますし、牛乳に含まれているコロイド粒子は肉の臭みを吸着して感じにくくさせます。

まとめ・ハンバーグにパン粉を加える理由は?

ハンバーグには副材料としてパン粉を加えます。

パン粉を加えることによって「ハンバーグの食感にもろさが加わる」「肉汁を閉じ込めやすくなる」「パンの風味が加わる」などのメリットが得られます。パン粉の他には、より保水力の高いお麩を使うこともあります。

個人的にはナスの白い部分を使うこともあります。