
この記事は約 5 分で読めます。
こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。
美味しいぬか漬けを漬けるためにはぬか床自体が美味しい必要があります。ぬか床の美味しさには「素材の良さ」「手入れが行き届いていること」「微生物の多様性」などが欠かせないポイントであり、いずれにしてもある程度の経験が必要です。
興味があるのであれば、まずは始めてみることをおすすめします。

今回の記事は次のような人におすすめ!
- 美味しいぬか床の作り方を知りたい。
- ぬか漬けが美味しくない。
- ぬか床レシピの理屈を知りたい。
ぬか床の作り方を説明します。
ぬか床は米ぬかを乳酸発酵させて作ります。主な材料には「米ぬか、食塩、水など」があり、材料がシンプルであるからこそ質の良いものを選ぶことがポイントになります。間違ってもスーパーなどで販売されているパック詰めの米ぬか(ぬか漬けの素)はおすすめしません。
また長く管理を続けるためにはぬか床容器選びも重要になってきます。
スポンサーリンク
ぬか床の基本レシピは?
- 米ぬか … 1kg
- 食塩(並塩) … 130~150g
- 水 … 1.2L
- 昆布 … 10g
- 干し椎茸 … 10g
風味付けの材料
- 赤唐辛子(種は取る) … 1~2本
- 柑橘類の皮 … 適量(好みにより加減)
捨て漬けの材料
- くず野菜(キャベツの外葉など) … たくさん
- 昆布と干し椎茸を水に浸して一晩おきます。1分間に4℃くらいのペースで80℃まで温度を上げてから粗熱を取っておきます。
- すべての材料(米ぬか、食塩、冷ましただし汁など)を混ぜ合わせてから捨て漬けをします。捨て漬け野菜を入れたら表面を整えて側面をきれいに拭き取っておきます。
- 数日おきに捨て漬け野菜を取り換えます。天地返しも数日おきで大丈夫です。
- 2週間ほどして酸味の出てくるタイミングが本漬けをできる合図です。本格的なぬか床の熟成には3カ月ほど(夏は2カ月、冬は4カ月ほど)の時間を要します。
面倒であれば出汁をとる必要はありません。
昆布と干し椎茸で出汁をとることによりぬか床のうま味を強くすることはできますが、そのまま加えるだけでもぬか床を美味しくすることはできます。また本格的にぬか床が美味しくなるまでにはある程度の時間がかかりますので、そのまま加えても問題はありません。
興味がある場合には試してみてください。
おすすめのぬか床容器は?
ぬか床容器にはいくつかの種類があります。
たとえば私は陶器(かめ)を使用しています。陶器には「温度変化が少ない」というメリットがありますのでぬか床に生育する微生物にやさしい容器といえます。しかし「冷蔵庫管理ができない」「割れるリスクがある」などのデメリットもあります。
以下は主な容器のメリットとデメリットです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
プラスチック容器 | 安価、軽量 | におい残り |
琺瑯容器 | 清潔 | 温度変化が大きい |
陶器 | 温度変化が少ない | 重い、割れるリスクがある |
木桶 | 温度変化や水分量の変化が少ない | 高価、扱いの難しさ |
人気があるのは琺瑯容器です。
琺瑯容器は酸に強くにおい残りが少ないことからも清潔に管理しやすいぬか床容器であるといえます。プラスチック容器よりも長く使えて陶器のようなひび割れのリスクも少ないことからも特にこだわりがなければ琺瑯容器が無難です。
またデザインの良さも魅力の一つだと思います。
米ぬかの入手方法は?
米ぬかの味はぬか漬けの味に大きく影響します。
基本的にスーパーなどで販売されているパック詰めの米ぬかはおすすめしません。パック詰めの米ぬかには「炒りぬかになっている」「よくない副材料が添加されている」「うま味調味料などで味付けされている」などの特徴があるためです。
多くの場合、米ぬかの風味が良くありません。
ぬか床を作るための米ぬかは精米から日の浅いものを選ぶことがポイントになります。そのため近所の米穀店や産地直売所などから入手するのが理想的です。もちろん家庭用精米機などを利用してもOKです。
米ぬかは定期的な足しぬかにも使用することになりますので身近な入手先を確保しておくことが大切です。
おすすめの食塩は?
ぬか床にはあら塩をおすすめします。
食塩には多くの種類がありますが、ぬか漬けにはミネラル分が豊富で味に丸みのあるあら塩をおすすめします。あら塩に含まれているにがり(塩化マグネシウムや塩化カルシウムなど)により味が複雑になりおいしく感じられるようになります。
また「野菜の組織と結合して不溶性にする働き」があるために食感が良くなります。
昆布や干し椎茸の使い方は?
初回はだしを取ってから合わせることをおすすめします。
ぬか漬けは昆布のうま味(グルタミン酸)や干し椎茸のうま味(グアニル酸)により美味しくなります。多くのレシピではぬか床に入れることによりうま味を引き出していますが、だしを取ってから合わせた方が圧倒的においしくなります。
これは昆布や干し椎茸のうま味は抽出温度がポイントになっているためです。
たとえば昆布を水出しすると上品なうま味が引けますがぬか漬けには物足りません。また干し椎茸のうま味は抽出時に酵素が働くことで生成されるものですので抽出温度により酵素作用をコントロールすることがポイントになります。
これらのことからもだしを取ってから合わせた方がうま味は強くなります。
まとめ・美味しいぬか床の作り方は?
ぬか床は米ぬかを乳酸発酵させて作ります。
主な材料は「米ぬか、食塩、水、昆布など」であり材料がシンプルであるからこそ質や鮮度が重視されます。このことからもスーパーなどで販売されているパック詰めの米ぬか(ぬか漬けの素)はおすすめしません。
鮮度の良い米ぬかの入手先を確保することこそがぬか床作りの最初にして最大の難関になります。
※ぬか床容器は価格変動が大きいため注意してください。