ホワイトソースのとろみがゆるい?

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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。

ホワイトソースはホワイトルーに牛乳を混ぜ合わせて作ります。ホワイトソースにとろみがついているのはルーに含まれている小麦粉のでんぷんが糊化(α化)することによるものです。小麦粉の割合が高くなるほどにとろみは強くなります。

ホワイトソースがゆるいと感じている場合には小麦粉の比率を見直してみる必要があります。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ホワイトソースに必要な小麦粉の割合を知りたい。
  • ホワイトソースのとろみがゆるいように感じる。
  • 料理に合わせた小麦粉の比率を知りたい。

ホワイトソースは料理により小麦粉の割合を変えます。

クリームシチューなどのように煮込む場合には「液に対して2~4%」、グラタンやドリアなどのように和える場合には「液に対して5~6%」、クリームコロッケなどのように成形する場合には「液に対して12~15%」というのが一つの目安になります。

この割合を覚えておくと多くの料理に応用できるようになります。

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小麦粉の割合によるホワイトソースの違いは?

ホワイトソースのとろみには小麦粉のでんぷんが利用されます。

でんぷんはブドウ糖がいくつも結合して鎖のようにつながっている高分子物質です。でんぷんを水とともに加熱すると鎖の束の間に水分子が入り込んで水に溶けた状態になります。そしていくつもの鎖の束が水に分散することで水分子の流動性が小さくなります。

このような仕組みにより、小麦粉の濃度が高ければゲル化し、低ければさらっとした液状のとろみとなります。

液に対する小麦粉濃度
クリームシチューなど2~4%
グラタンやドリアなど5~6%
クリームコロッケなど12~15%

上記の表はおおよその値です。

でんぷんには「食塩や食酢により粘度が低下する」「油や砂糖により粘度が上昇する」などの特徴がありますので料理によっては上記の範囲内に収まらないこともあります。

クリームシチューの小麦粉の濃度は?

クリームシチューの小麦粉濃度は2~4%です。

たとえば2人分のクリームシチューを作ると仮定すると、小麦粉20g、バター20g、液体600g(牛乳300g+スープ300g)といった具合になります。これにより液体に対する小麦粉の割合は約3.3%になり煮込み料理向きのホワイトソースになります。

「小麦粉1:液体30」と覚えておくと便利です。

小麦粉20g
バター20g
液体
牛乳+スープ
600g

しかし、煮込み料理は蒸発分を加味する必要があります。

ルクルーゼやストウブなどのように水分の蒸発量が少ない鍋の場合には上記のレシピでは緩い仕上がりになる可能性があり、雪平鍋などのように蒸発量の大きくなる鍋の場合にはとろみがきつすぎる仕上がりになる可能性があります。

これらのことからも「小麦粉1:液体25~30」で様子を見てみることをおすすめします。

【補足説明】とろみが足りない場合にはブールマニエを使います。ブールマニエはバターと小麦粉を混ぜ合わせた即席のルーのようなものです。ルーを使うよりも「ダマができやすい」「粉っぽさが残りやすい」などのデメリットはあるものの仕上げの段階でとろみが足りないときには重宝されているテクニックです。

グラタンやドリアの小麦粉の濃度は?

グラタンやドリアの小麦粉濃度は5~6%です。

たとえばグラタンやドリアに牛乳200gを使うと仮定すると、小麦粉10g、バター10g、牛乳200gといった具合になります。これにより液体に対する小麦粉の割合は約5%となり食材に絡んで流れないホワイトソースになります。

「小麦粉1:液体20」と覚えておくと便利です。

小麦粉10g
バター10g
牛乳200g

小麦粉を具材と一緒に炒める作り方もあります。

本来であれば小麦粉とバターを炒めてルーを作り、ルーに牛乳を加えてホワイトソースを作り、ホワイトソースに炒めた具材を加えることが多いかと思いますが、具材と一緒に炒めることで小麦粉がダマになりにくくなります。

粉っぽさは残るものの、簡略レシピとしては悪くありません。

クリームコロッケの小麦粉の濃度は?

クリームコロッケの小麦粉濃度は12~15%です。

たとえば小麦粉30gでクリームコロッケ向きのホワイトソースを作ると仮定すると、小麦粉30g、バター30g、牛乳210gといった具合になります。これにより液に対する小麦粉の割合は14.3%になり成形できる濃度のホワイトソースになります。

「小麦粉1:牛乳7」で覚えておくと便利です。

小麦粉30g
バター30g
牛乳210g

クリームコロッケはラップで成形すると上手にできます。

一般的にはバットに広げて冷やしてから成形する方法が推奨されていますが、広げたラップにホワイトソースを乗せて棒状(キャンディー状)に成形することで手に油をつけたりしなくても均一なクリームコロッケに成形できます。

ホワイトソースは冷やすことでラップにくっつかなくなりますので、キャンディー状に成形したホワイトソースを冷蔵庫で1時間以上冷やしてから切ることで手を汚さずに成形できます。

あとはバッター液にくぐらせてからパン粉をつけて揚げるだけです。

まとめ・ホワイトソースのとろみがゆるい?

ホワイトソースの小麦粉の割合にはおおよその目安があります。

それがクリームシチューなどのように煮込む場合には「液に対して2~4%」、グラタンやドリアなどのように和える場合には「液に対して5~6%」、クリームコロッケなどのように成形する場合には「液に対して12~15%」というものです。比率だと重量比で「小麦粉1:液体30」「小麦粉1:液体20」「小麦粉1:液体7」になります。

水分の蒸発分を加味する必要はありますが、おおよその目安としては参考になる値です。