干し柿をもむ理由は?

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こんにちは、めしラボです。

はく皮(皮むき)した渋柿を干すと「渋味が抜ける(渋味を感じられなくなる)」「甘味が凝縮される」「特有の風味や食感が生まれる」「保存性が高まる」などのメリットが得られますが、揉まずに干し上げると渋残りや食感の悪さにつながることがあります。

そのため干し柿は適宜揉みながら仕上げていきます。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 干し柿はなぜ揉まなければいけないのか?
  • 揉まずに仕上げるデメリットは?
  • 破裂させずに干し柿を揉むコツは?

揉むことには内部拡散を促す効果があります。

干し柿は水分の蒸散と内部拡散を繰り返すことで乾燥していきます。蒸散と内部拡散はバランスが重要であり、蒸散が優位になりすぎると「渋残り」や「食感の悪さ」につながりやすくなり、内部拡散が優位になりすぎると「カビの発生」につながりやすくなります。

そのため干し柿は状況を見極めながら揉むことになります。

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干し柿が渋残りする仕組みは?

干し柿は渋残りすることがあります。

干し柿が脱渋されるのはアセトアルデヒドと柿タンニンが結合するためです。渋柿の皮を剥いて干すことでアルコール(エチルアルコール)が生成されますが、生成されたアルコールは水素が外れることでアセトアルデヒドになります。

そのため樹上では脱渋しない完全渋柿であっても干すことで脱渋されます。

  1. 渋柿の皮を剥いて干しておく

  2. アルコールが生成される

  3. アセトアルデヒドが生成される

  4. 柿タンニンと結合して脱渋される

しかし乾燥が早すぎると渋残りします。

干し柿の脱渋には柿タンニンとアセトアルデヒドを結合させる必要がありますが、あまりにも乾燥(蒸散)のペースが速すぎる場合には柿タンニンとアセトアルデヒドが結合して脱渋される前に(柿タンニンが不溶化する前に)乾燥してしまうことで渋残りが起こります。

そこで揉むことで内部拡散を促して蒸散とのバランスを取ります。

干し柿を揉むことの食感への影響は?

干し柿は揉むことで食感が良くなります。

干し柿の食感には大きく「あんぽ柿の水菓子のように軟らかい食感」と「ころ柿の弾力のあるねっとりとした食感」の2種類があります。しかし揉まずに表面だけを乾燥させてしまうと「表面だけが硬く中はドロドロの食感」の干し柿になります。

そのため揉むことで水分を均一にします。

干し柿の水分は揉むことで内部拡散が促されて外側ににじみ出やすくなります。これにより表面の過乾燥が妨げられて外側のしっとりしたバランスの良い干し柿に仕上がります。また果糖やブドウ糖が結晶化した柿霜(しそう)もできやすくなります。

白く粉の吹いた仕上がりにするには欠かすことのできない作業です。

破裂させずに干し柿を揉む方法は?

干し柿の揉み方にはコツがあります。

ポイントとなるのが「初期の10日間ほど(皮膜形成期)には揉まないようにする」「物足りないくらいの強さで揉んでいく」「雨の前日や当日など(湿度の高い日)には揉まないようにする」「芯を切って真ん中を揉みほぐすのは仕上がりに近くなってきてから」などです。

干し柿は無理をしてしまうと簡単に破裂します。

  1. 【皮膜形成期には揉まない】干して最初の10日間ほどは触らずに表面を乾燥させます。表面の乾燥に要する期間(皮膜形成期)は天候や湿度、柿の熟し加減などにより左右されますのでよく観察して判断するようにします。

    step.1

  2. 【物足りないくらいの強さで揉みはじめる】表面が乾いてきたら水分の蒸散の起こりやすい肩の部分を重点的に揉みはじめます。無理をすると簡単に破裂してしまいますので物足りないくらいの強さで揉むようにします。

    step.2

  3. 【雨の前日や当日などのように湿度の高い日は揉まない】干し柿を揉むと内部拡散が促されて表面がしっとりしますので、雨の前日や当日などのように湿度の高い日は揉まないようにします。そのようなタイミングで揉んでしまうとカビやすくなります。

    step.3

  4. 【真ん中を揉みほぐすのは仕上がりに近くなってから】しばらくは表面だけを優しく揉むようにします。芯を切って中心部分を揉むのは仕上がりが近くなってからです。その前に揉みこんでしまうと高い確率で破裂させてしまいます。

    step.4

干し柿は揉むことでしっとりします。

これにより蒸散とのバランスが取れて「渋残りしにくくなる」「食感が良くなる」などのメリットが得られますが、しっとりするということは「カビやすくなる」ということでもありますので天候(湿度)には注意する必要があります。

干し柿を揉む頻度は天候により変化します。

まとめ・干し柿を揉む理由は?

干し柿を揉むことには内部拡散を促す効果があります。

干し柿は水分の蒸散と内部拡散を繰り返しながら乾燥していきますが、あまりにも蒸散が優位になりすぎると渋残りや食感の悪さにつながりやすくなってしまいます。そのため適切なタイミングで揉むことにより均一に干し上がるようにします。

干し柿は揉み過ぎても揉まな過ぎても良くありません。