コーヒードリッパーの材質の違いは?

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こんにちは、めしラボです。

コーヒーが好きでよく飲んでいるのですが、ドリッパーには様々な材質があります。たとえばプラスチック(AS樹脂)や陶器(セラミック)などです。どちらにも一長一短はありますが、個人的にはプラスチックを好んで使っています。

プラスチックのドリッパーを好んでいる理由を説明していきます。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ドリッパーの素材による違いを知りたい。
  • プラスチックと陶器はどちらが優れているのか?
  • 自分にはどちらのドリッパーが適しているのか?

ドリッパーには材質による違いがあります。

たとえばプラスチックのドリッパーには「コーヒーの温度に影響を与えにくくリブの形状も正確」などの特徴があり、陶器には「高級感があり見た目はいいが温めないで使うとコーヒーの温度を下げてしまう」などの特徴があります。

このことからも、ついついプラスチックのドリッパーを選んでしまいます。

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材質により形状が違う?

ドリッパーは繊細な道具です。

シンプルな道具に見えるかもしれませんが、ドリッパーの形状(穴の大きさやリブの高さなど)は各メーカーの抽出理論に応じて設計されています。そのためドリッパーを変えればコーヒーの味が変わりますし、最適な抽出方法も変わります。

この点ではプラスチックが優れています。

プラスチック(AS樹脂)形状が正確に作られている
陶器(セラミック)形状に個体差があることがある

プラスチックのドリッパーはとにかく正確です。

同じメーカーの同じタイプのドリッパーを購入したとしても、陶器のドリッパーには微妙な個体差があります。このことからもメーカーごとの抽出理論を知りたい(体験したい)場合にはプラスチックのドリッパーを選ぶことをおすすめします。

たとえば「メリタ式、カリタ式、ハリオ式など」のプラスチックドリッパーとペーパーフィルターを購入して比較してみると、同じコーヒー粉を使っていたとしても異なる特徴のコーヒーが抽出されます。好みの味(抽出理論)を見つけておくのも楽しいかと思います。

陶器に比べて安く手に入ることもメリットといえます。

材質の違いがコーヒーの抽出温度に影響する?

ドリッパーには余熱が必要です。

コーヒーは抽出温度により味が変わります。たとえば酸味の成分には「低温でも抽出されやすい」という特徴がありますが、苦味の成分には「低温では抽出されにくい」という特徴がありますのでドリッパーは温めておかなければいけません。

特に陶器のドリッパーには注意が必要です。

陶器のドリッパーには「熱容量が高い(蓄えられる熱エネルギー量が大きい)」「プラスチックよりは熱伝導率が高い」という特徴がありますので、余熱をせずに抽出をしてしまうとコーヒーの抽出温度を下げてしまいます。

以下は熱伝導率と熱容量の詳細になります。

熱伝導率のドリッパーへの影響は?

熱伝導率は熱の伝わりやすさです。

プラスチックと陶器はどちらも熱伝導率の低い素材ではありますが、陶器の方が熱伝導率に優れています。熱伝導率の良さは「熱の移動のしやすさ」と言い換えることができますので、冷たい陶器は冷たいプラスチック以上にコーヒーを冷やします。

冷却フィンにアルミが使われているのは熱伝導率に優れているためです。

熱伝導率(W/m・k)
プラスチック(AS樹脂)0.15~0.16
陶器1.40
アルミニウム304.00

熱伝導率に関しては深く考える必要はありません。

陶器はプラスチックよりも熱伝導率に優れた素材ではありますが、陶器の熱伝導率が直接的にコーヒーの抽出に影響することはありません。問題は陶器が「熱伝導質が低くて熱容量の高い素材」であることを理解している必要があることです。

陶器は温まりにくく冷めにくい素材です。

熱容量のドリッパーへの影響は?

熱容量は蓄えることのできる熱エネルギー量です。

プラスチックと陶器とでは熱容量に大きな差があります。熱容量は「比熱×質量」で求められますが、シンプルに考えれば「重いほど熱容量が高くなる」ということになりますので、同じ形状であれば陶器はプラスチックよりも熱容量が大きくなります。

土鍋が冷めにくいのは熱容量が大きいためです。

熱容量(比熱kj/kg/K) × 密度(kg/m3
プラスチック(AS樹脂)1.34~1.42×1075~1100
陶器0.8×2400

熱容量の大きさはメリットにもデメリットにもなります。

プラスチックは軽くて熱容量の小さな素材ですので余熱をせずに使っても抽出に大きな影響力はありませんが、陶器は重くて熱容量の大きな素材ですので余熱をせずに使うと抽出温度を下げてしまうことになります。

コーヒーカップを温めてから使用するのも温度への影響力が大きいためです。

しかし熱容量の大きな陶器は一度温めてしまえば冷めにくいという特徴を有しますので、理屈の上ではプラスチックのドリッパーよりも安定した抽出が可能になります。ちなみに胴は熱容量の大きな素材ですが熱伝導率に優れているために陶器はと異なる特徴を有しています。

最終的には使い方と好みの問題になります。

まとめ・コーヒードリッパーの材質の違いは?

コーヒードリッパーには様々な材質のものがあります。

一般的に普及しているドリッパーはプラスチック(AS樹脂)か陶器(セラミック)で作られているかと思いますが、プラスチックには「熱伝導率が悪く熱容量が小さい」、陶器には「熱伝導率が悪く熱容量が大きい」という特徴を有しています。

これらの特徴を理解していると目的に応じた使い分けができるようになります。