ニンニクが青くなる仕組みは?

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こんにちは、めしラボです。

すりおろしニンニクや酢漬けにしたニンニクなどは時間の経過とともに青く変色することがあります。あまりにも毒々しい色になることからも「このまま食べても大丈夫なのか?」と心配になる方も少なくはありません。

ニンニクが青く変色することに害はありません。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • ニンニクが青く変色する仕組みは?
  • 青く変色したニンニクは食べられるのか?
  • ニンニクの変色を防ぐには?

ニンニクの青い変色に害はありません。

ニンニクは細胞が破壊されると変色しやすくなります。これはニンニクの細胞内に含まれている硫黄を含む成分と鉄分が反応してしまうためです。ゆで卵を茹ですぎると卵黄の表面が変色するのも硫黄を含む成分と鉄分が反応しているためです。

見た目は良くありませんが健康への悪影響はありません。

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ニンニクが青くなる仕組みは?

ニンニクが青くなる仕組みは?

ニンニクはアルキルサファイド化合物により変色します。

ニンニクの細胞内にはアリイン(硫黄を含むアミノ酸の一種)が含まれています。アリインは刺激を受けることによりアリシン(ニンニクの香りや辛味成分)という物質に変化し、さらにはアルキルサファイド化合物へと変色していきます。

アルキルサファイド化合物は鉄分と反応することで青緑色へと変色します。

アルキルサファイド化合物は硫黄を含む化合物です。ラッキョウ漬けが青緑色に変色することがあるのもニンニクと同じ仕組みですし、ゆで卵の卵黄が黒緑色に変色することがあるのも硫黄を含む化合物(シスチンやメチオニン)が鉄分と反応するためです。

食品において、この手の変色は良く起こります。

変色しやすくなる条件とは?

変色しやすくなる条件とは?

細胞が破壊されたニンニクは時間経過により変色します。

切ったりすりおろしたりしたニンニクは、細胞内に含まれていたアリインがアリシンへと変化します。アリシンは時間経過によりアルキルサファイド化合物(硫黄を含む化合物)へと変化していきますので、ニンニクに含まれている鉄と結びついて変色してしまいます。

このことからも細胞が傷つけられなければ変色しません。

ちなみに酢漬けニンニクの変色原因は明らかになっていません。「フラボノイド色素とマグネシウムの反応」「アルキルサファイド化合物と鉄分の反応」といった仮説はあるものの、酢漬けニンニクの変色に関する研究はありません。

いずれにしてもすりおろしニンニクや酢漬けニンニクは変色します。

ニンニクの変色を防ぐには?

変色前のニンニク
変色前のニンニク
変色後のニンニク
変色後のニンニク

生ニンニクの変色は防げません。

すりおろした生ニンニクは、食塩添加、pH調節、アルコール添加などの加工をしても変色してしまいます。変色を防ぐには「加熱する」「乾燥させる」「酸(レモン果汁やお酢など)を添加する」「オイルを添加する」「冷凍する」などの方法が有効です。

しかし生ニンニク特有の風味は損なわれます。

このことからも「生ニンニクをその都度すりおろす」「すりおろした生ニンニクに食塩を添加する」のいずれかの方法がおすすめです。食塩を添加しても変色を防ぐことはできませんが、ニンニクの風味は損なわれませんので保存性を高めたい場合にはおすすめの方法です。

とはいえ、可能であれば生ニンニクをその都度すりおろすことをおすすめします。

まとめ・ニンニクが青くなる仕組みは?

生ニンニクは細胞が壊されると変色します。

ニンニクに含まれているアリインは刺激を受けることでアリシンへと変化し、アリシンは時間経過によりアルキルサファイド化合物へと変色します。アルキルサファイド化合物は鉄分と反応することにより青緑色へと変色します。

すりおろした生ニンニクが変色するのは仕方のないことです。