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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。
雪平鍋(もしくはやっとこ鍋)を好んで使っています。熱伝導率に優れたアルミニウム製の鍋には「お湯が早く沸きやすい」「温度の反応性が良い」「比較的安価で数をそろえやすい」などのメリットがあるために家庭料理においても重宝されます。
しかしメリットばかりでもありません。

今回の記事は次のような人におすすめ!
- 雪平鍋のデメリットを知りたい。
- 雪平鍋が苦手とする料理(調理方法)は?
- 一般的な鍋との使い分けは?
雪平鍋にはいくつかのデメリットがあります。
一般的に、雪平鍋と言えばアルミニウムや銅などで作られた熱伝導率に優れた(お湯が早く沸く)片手鍋です。しかしアルミニウムには「密度が低い(熱容量が小さい)」「酸性と塩基性(アルカリ性)の両方に反応してしまう」などの特徴もあります。
メリットとデメリットは表裏一体ですので特徴を理解した上で使用する必要があります。
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熱容量が小さい

雪平鍋は熱容量の小さな鍋です。
熱容量とは鍋が蓄えることのできるエネルギー量です。熱容量は「比熱×密度」で求めることができます。基本的には重い鍋ほど熱容量が高くなり、軽い鍋ほど小さくなる傾向があります。たとえば鋳物琺瑯鍋は熱容量が大きく、雪平鍋は小さくなります。
以下は各素材の比熱と密度です。
比熱 kJ/(kg/K) | 密度 g/cm3 | |
---|---|---|
銅 | 0.39 | 8.96 |
アルミニウム | 0.91 | 2.7 |
鉄 | 0.44 | 7.87 |
ステンレス SUS405 | 0.46 | 7.9 |
熱容量は次のような違いを生みます。
特徴 | |
---|---|
熱容量が大きい (鋳物琺瑯鍋や土鍋など) | 熱されにくく冷めにくい |
熱容量が小さい (雪平鍋やアルミフライパンなど) | 熱されやすく冷めやすい |
もちろん、どちらにも一長一短があります。
熱容量の大きな鍋(鋳物琺瑯鍋や土鍋など)はゆっくり上昇して高い温度で安定しますので煮込み料理に向いていますし、熱容量の小さな鍋(雪平鍋やアルミフライパンなど)は温度を変化させやすいために卵料理やパスタなどに向いています。
一概にデメリットとは言えませんが、料理によっては(熱容量が小さいために)美味しくならないこともあります。また、アルミニウムの雪平鍋にも板厚の違いがありますので「雪平鍋=熱容量が小さい」とは言い切れないこともあります。
予算に余裕がある場合には厚板の雪平鍋をおすすめします。
食材を入れたままにはできない

雪平鍋は料理を入れたままにはできません。
一般的な雪平鍋はアルミニウムで作られています。アルミニウムは両性金属(酸性と塩基性(アルカリ性)の両方に反応してしまう金属)ですので「極端な水素イオン指数(pH)の料理ができない」「料理を入れたままにできない」などの注意点があります。
アルミニウムが変色するのは一種の腐食です。
アルミの雪平鍋は白色や黒色に変色することがあります。白い変色はアルミニウムと水分が反応して形成された水酸化アルミニウムの色であり、黒い変色は水酸化アルミニウムと水分中の微量物質(ミネラル)が反応することによるものです。
そのため、フッ素樹脂加工の鍋のように料理を入れたままにすることはできません。
蓋がない(蓋を使えない)

雪平鍋には蓋がありません。
一般的な雪平鍋は「熱容量が小さく煮込み料理には向かない」「耐食性の問題があるために料理を入れたままにできない」などの特徴があるために蓋がありません。基本的に雪平鍋には落し蓋を使います。
そのため、雪平鍋は落し蓋とセットでそろえることをおすすめします。
どうしても蓋を使いたい場合には別売りで購入することもできますが、注ぎ口が付いていることや取っ手の取り付け金具があることからもおすすめはしません。蓋を使いたい場合には一般的な蓋つきの片手鍋を使った方が料理のできも良くなります。
調理道具は向き不向きを理解した上で使い分けることがポイントになります。
まとめ・雪平鍋のデメリットは?
メリットとデメリットは表裏一体です。
雪平鍋には「熱せられやすく冷めやすい(熱伝導率が良く熱容量が小さい)」「両性金属なので酸性と塩基性の両方に反応してしまう」「蓋がない」などの特徴があります。一概にデメリットとは言い切れない特徴ではありますが、使い方(使いどころ)を間違えてしまうと問題を起こしやすい特徴でもあります。
とても優れた道具ではありますが、万能ではありません。