コーヒー豆の挽き加減は?

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こんにちは、めしラボです。

コーヒー豆の挽き加減(粉の粒度)は驚くほどにコーヒーの味を変えます。同じコーヒー豆を同じように焙煎したものであっても、挽き加減が違えば別のコーヒーになると言っても過言ではありません。また抽出法が変われば最適な挽き加減も変わります。

これにはミルの性能も関わってきます。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • コーヒーの味が安定しない。
  • 安もののコーヒーミル(グラインダー)を使っている。
  • 嫌な苦味や雑味などを感じる。

挽き加減には大きな影響力があります。

抽出はコーヒーの成分を引き出すことです。コーヒーは引き加減によって表面積が変化します。そのため基本的には粒度が細かくなるほどに「表面積が大きくなるために苦味が強くなる」、粗くなるほどに「表面積が小さくなるために苦味が弱まり酸味が強調される」ことになります。

またコーヒー粉の粒度は抽出理論にも影響されます。適切な挽き加減は抽出温度や抽出時間などとのバランスが重要になります。

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粗挽きと細挽きの小僧的な違いとは?

コーヒー粉には様々な粒度があります。

大きくは「細挽き、中挽き、粗挽き」のように表現されることが多く、粒度は細かくなるほどに苦み成分が抽出されやすくなるという特徴を持ちます。エスプレッソが苦いのは(厳密にはエスプレッソに苦み成分が多く含まれているのは)挽目が細かいためです。

以下は挽き加減と器具との相性です。

細挽きエスプレッソマシンやエアロプレスなど
中挽きペーパードリップやネルドリップなど
粗挽きウォータードリップやフレンチプレスなど

挽き加減が味を変えるのはコーヒー豆の構造によるものです。

コーヒーの主成分はコーヒー豆の細胞壁に閉じ込められています(焙煎されたコーヒーの主成分は細胞壁に張り付くように存在しています)。そのためコーヒー豆の挽き加減により(細胞壁の破壊される程度が変化するために)抽出成分の濃度が変化します。

ちなみにコーヒーかすの正体は細胞壁の残骸です。

抽出法に適した粒度とは?

コーヒーは抽出法により挽き加減を変えます。

コーヒーの抽出原理は複雑です。コーヒーの抽出には「抽出温度、抽出時間、コーヒー豆の挽き方(挽き加減)、コーヒー豆の焙煎度、粉の分量、抽出量」の6項目が重視されていますが、すべてのバランスを整えるのは並大抵のことではありません。

たとえばエスプレッソは極細挽きにします。

これはエスプレッソの抽出条件が「抽出時間が短い」「焙煎度が深い」「抽出量が少ない」などであるためであり、エスプレッソマシンに粗挽きにしたコーヒー粉を使用してしまうと「物足りない味」のエスプレッソが抽出されてしまいます。

反対にドリップ式には極細挽きは使えません。ドリップ式は自然ろ過ですので、自然ろ過の抽出器具に極細挽きにしたコーヒー粉を使ってしまうと「フィルターが目詰まりを起こしてしまうためにスムーズな抽出ができなくなる」ことになります。

エスプレッソマシンは加圧ろ過であるために極細挽きを使用できます。

均一な挽き加減とは?

挽き加減と並んで大切なのが均一性です。

コーヒー粉の粒度にはばらつきができます。コーヒー粉の粒度にばらつきができると抽出が安定しなくなります。これは粒度(メッシュ)のばらつきにより抽出時間や抽出量が変化してしまうためです。

また粒度のばらつきは抽出成分のバランスを崩します。

コーヒーから抽出される成分には「抽出温度、抽出時間、粒度による抽出のされやすさなど」の違いがありますので、コーヒー粉の粒度にばらつきがあるとコーヒーの味も安定しなくなります。コーヒーにこだわる人ほどコーヒーミルにこだわるのはこのためです。

ちなみに粒度を完全に均一にすることは不可能です。

コーヒー豆には「粗挽きにするほど不均一になる」という傾向があり、業務用のミルであっても狙った粒度になるのは「細挽きで30%ほど」「粗挽きだと20%ほど」だと言われています。すべてを均一に引くというのは技術的に難しいのです。

これらのことからもプロペラ式のミルはおすすめしません。

微粉が嫌われる理由は?

コーヒー豆を挽くと微粉が発生します。

微粉とは主に0.5mm以下まで破砕されたコーヒー豆のことを指しますが、コーヒー粉は微粉が多くなるほどに抽出時間や抽出量に悪影響を及ぼすことになります。具体的には微粉の多いコーヒー粉は不快な苦み成分や雑味成分が多く抽出されます。

これは挽き加減が抽出効率を変化させるためです。

細挽き表面積が大きく抽出効率が良い
粗挽き表面積が小さく抽出効率が悪い

抽出効率はコーヒー豆の悪い面も引き出してしまいます。

これはコーヒーの飲み方にも影響しています。極細挽きにしたコーヒー粉を使用するエスプレッソには不快な成分が多く含まれているために「クレマ(表面にできる泡の層)」や「砂糖」などによって不快な苦味や雑味を感じにくくしています。

反対に粗挽きにしたコーヒー粉を使用するウォータードリップでは不快な苦味や雑味のない澄んだ味のコーヒーが抽出されます。

まとめ・コーヒー豆の挽き加減は?

コーヒー豆の挽き加減はコーヒーの味を左右します。

そのためコーヒー粉の粒度は抽出器具に合わせて変えていきます。たとえばエスプレッソやターキッシュコーヒーには細挽き(極細挽き)にしますし、ドリップ式には中挽き、パーコレーターには粗挽き(極粗挽き)などのように使い分けます。

もちろん絶対的な正解はありません。同じ抽出器具を使用している場合であっても、適切なコーヒー粉の粒度は抽出条件に影響されます。このことからも抽出温度や抽出時間などとのバランスをとっていくことがポイントになります。

粒度(メッシュ)はシンプルなようで複雑な世界です。