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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。
鉄フライパンには黒色のものと銀色のものがあります。いずれの鉄フライパンを使用することによりツヤのある黒色になりますが、場合によっては「銀色のまま使い続けたい(黒く変色させたくない)」と考えることもあるはずです。
しかし鉄フライパンが黒くなるのを防ぐ方法はありません。

今回の記事は次のような人におすすめ!
- 鉄フライパンが黒く変色する仕組みは?
- 新品の鉄フライパンに黒色と銀色がある理由は?
- 黒色と銀色の鉄フライパンの扱いの違いは?
鉄フライパンは黒く変色していきます。
市販されている鉄フライパンには黒色のものと銀色(ねずみ色)のものがあります。黒色のフライパンは熱間圧延鋼材(黒皮材)で作られたもの、銀色のフライパンは冷間圧延鋼材(ミガキ材)で作られたものです。
銀色の鉄フライパンであっても使用する(熱を加えられる)ことで黒く変色していきます。
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黒色と銀色の違いは?
黒色の正体は酸化被膜です。
熱間圧延鋼材(黒皮材)は約1000℃に加熱して圧延される鋼材です。高温に熱せられた鋼材は冷えるときに四酸化三鉄(黒サビ)による酸化被膜が形成されます。この黒サビが黒皮(またはミルスケール)と呼ばれています。
対して銀色の鉄フライパンは冷間圧延鋼材で作られています。
黒い鉄フライパン | 熱間圧延鋼材(黒皮材) |
---|---|
銀色の鉄フライパン | 冷間圧延鋼材(ミガキ材) |
冷間圧延鋼材(ミガキ材)は常温で圧延されています。
熱間圧延鋼材を再度加工しているために黒皮はありません。ミガキ材は表面が滑らかで加工精度が高いことがメリットになっていますが、鉄フライパンとして使用する場合には熱が加わるために黒く変色していきます。
新品の鉄フライパンの色が違うことがあるのは素材の違いです。
銀色のフライパンは黒くなる?
銀色の鉄フライパンも黒くなります。
鉄フライパンが黒くなるのは酸化被膜と油膜によるものです。酸化被膜とは高温に熱した鉄が冷めることで形成される黒サビ(四酸化三鉄)であり、油膜とは油が酸化重合することにより作られる樹脂層(ポリマー層)です。
酸化被膜は青っぽいねずみ色、油膜はこげ茶色をしているために使い込まれた鉄フライパンは色が濃くなっていきます。
ちなみに家庭で作れる黒サビ(四酸化三鉄)に黒皮材のような強度は望めません。黒皮材は高温に熱した鉄を延ばす工程で酸化して形成されるものですので、家庭用のガスコンロで作られる酸化被膜とは違っていて当然です。
しかしていねいに作業すればちょっとした酸性くらいでは剥がれ落ちない酸化被膜を作れます。
銀色のまま使うことはできないのか?
鉄フライパンは必ず黒くなります。
銀色の鉄フライパンのデザインが気に入って購入するかたもおられるかと思いますが、鉄フライパンは必ず黒く変色しますので注意が必要です。これは鉄フライパンの性質上、避けられないことです。
銀色を維持するためには表面を溶かすしかありません。
たとえばトマトやコーラなどをよく調理している鉄フライパンの内側は銀色になります。これはトマトやコーラの酸によって油膜と酸化被膜が剥がされているためであり、調理のたびに表面が溶かされているために銀色が維持されます。
しかし料理が鉄臭くなりますので一般的には避けられています。
まとめ・銀色の鉄フライパンは黒くなる?
鉄フライパンは黒く変色していきます。
鉄フライパンには黒皮材(熱間圧延鋼材)で作られている黒い鉄フライパンとミガキ材(冷間圧延鋼材)で作られている銀色の鉄フライパンがありますが、使い込まれることによりいずれは黒くなります。
デザインが気に入って銀色の鉄フライパンを選ぶこともあるかと思いますが、使うことにより必ず黒くなりますので注意が必要です。
※板厚はデバイヤーの場合は24cmまでが2.5mm、それ以上が3.0mmです。山田工業所の場合は1.6mm、2.3mm、3.2mmの3パターンがあります。厚板はじっくり焼きたい料理、薄板はサッと炒めたい料理に向いています。