雪平鍋と片手鍋の違いは?

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こんにちは、めしラボ(@MeshiLab)です。

雪平鍋(またはやっとこ鍋:取っ手のついていない雪平鍋)が好きで多数所有しています。これは雪平鍋の「一般的な片手鍋よりも早くお湯が沸く」「アルミニウム製なので熱伝導率が良い(部分的な焦げができにくい)」などの特徴が気に入っているためです。

雪平鍋と一般的な片手鍋は、似ているようでも異なる鍋です。

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今回の記事は次のような人におすすめ!

  • 雪平鍋にしかないメリット(特徴)を知りたい。
  • 雪平鍋と片手鍋は調理においてどのように違うのか?
  • 蓋のない雪平鍋は使いにくくないのか?

雪平鍋はアルミニウムなどの片手鍋です。

雪平鍋には「鍋底の角が取れている(角の丸みがある)」「熱伝導率に優れた素材(アルミニウムや銅など)で作られている」などの特徴があるために食材の下ごしらえから調理まで幅広く利用されています。

下ごしらえの多い和食作りには欠かすことのできない鍋です。

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形状による用途の違い

雪平鍋の形状
雪平鍋の形状
一般的な片手鍋の形状
一般的な片手鍋の形状

雪平鍋と片手鍋とでは形状が異なります。

片手鍋は寸胴型ですが、雪平鍋は上に向かって広がるような形状をしています。また、雪平鍋には「底面の縁に丸みがある」「注ぎ口が付いている」「蓋が使えないような形状をしていることがある」などの特徴もあります。

比較をしてみると全くの別物であることが分かります。

雪平鍋片手鍋
形状上に向かって広がっている寸胴型
底面の縁丸まっている角ばっている
注ぎ口

形状の違いは用途の違いにつながります。

雪平鍋は(片手鍋よりも)お湯が早く沸きます。これは「側面からも熱が伝わりやすい形状をしている」ことと「熱伝導率に優れた素材(アルミニウムや銅など)で作られている」ことが関係しています。

そのため食材ごとに下ごしらえをすることの多い和食では雪平鍋が欠かせません。

用途による素材の違い

用途による素材の違い

アルミニウムは熱伝導率に優れています。

熱伝導率とは熱の伝わりやすさであり、熱伝導率の値が高いほどに「温度が上がりやすい(または下がりやすい)」という特徴を有することになります。また、熱伝導率に優れる素材には熱ムラ(ホットスポット)が出来にくいというメリットもあります。

以下は主な素材の熱伝導率です。

熱伝導率
w/(m・K)
398.0
アルミニウム237.0
80.3
ステンレス
SUS405
27.0

このことからも雪平鍋の素材にはアルミニウムや銅が好まれます。

雪平鍋の多くはアルミニウムや銅で作られていますが、片手鍋(特に家庭用の片手鍋)の多くにはフッ素樹脂加工が施されています。フッ素樹脂加工は優れた表面加工ではありますが、熱伝導率の点ではデメリットになります。

ちなみに、正しく使えていればアルミニウムに害はありません。

蓋の有無について

蓋の有無について

雪平鍋には蓋がありません。

一般的な片手鍋には蓋が付いていますが、雪平鍋は蓋の使用を想定されていません。想定されていないからこそ「注ぎ口が付いている」「取っ手の取り付け金具が鍋の上部を覆うような構造をしていることがある」など雪平鍋特有の形状になっています。

雪平鍋の蓋は落し蓋になります。

雪平鍋は料理を入れたままにしておけません。スープなどは鍋に蓋をして保存する家庭も多いかと思いますが、雪平鍋の素材であるアルミニウムは両性金属と呼ばれる酸と塩基(アルカリ)の両方に反応してしまう金属であることからも料理を入れたままにはできないためです。

そのような使い方をする場合にはフッ素樹脂加工の片手鍋がおすすめです。

まとめ・雪平鍋と片手鍋の違いは?

雪平鍋はアルミニウム製の片手鍋です。

しかし形状の違い(鍋底の角に丸みがある)や熱伝導率に優れた素材(アルミニウムや銅など)により「お湯が早く沸く(熱効率が良い)」「焦げにくい(熱ムラができにくい)」などのメリットがあります(※雪平鍋には陶器製のものもあります)。

「蓋がついていない」「塩基性(アルカリ性)に弱い」などの特徴はあるものの、おすすめできる調理道具です。

※板厚は谷口金属が2.2mm、遠藤商事が2.6mm、アカオアルミ(やっとこ鍋)が3.0mmです。ホームセンターなどで販売されていることの多い安価な雪平鍋は1.3mmなどの薄板ですのでおすすめできません。